本日の為替市場は、FOMCメンバーの発言が引き起こす動きに注目が集まります。
投資家は、これによる市場の波乱に備えています。
昨晩のニューヨーク市場の動き
昨晩のニューヨーク市場では、以下のような動きが見られました。
- ドル円：反落し、午後には株価の急落を受けてリスク回避の円買いが入り、151円13銭まで売られました。
- ユーロドル：ドルの売りがユーロの買いを誘い、1.0876まで上昇しました。
株式市場：ダウを含む3指数が大幅に下落。ダウは530ドルの下落で、4日連続の下落となりました。年内の利下げが行われない可能性についての言及が市場に重くのしかかりました。- 債券市場：債券価格は続伸し、長期金利は4.30%台に低下しました。
- 金：ザラ場で最高値を更新しましたが、連日の急騰で「買われ過ぎ」との指摘もあり、引け値は小幅に安くなりました。
- 原油：5日連続で上昇し、86ドル台に達しました。
その他、重要な経済指標としては以下の通りです。
- 新規失業保険申請件数：22.1万件
- 2月貿易収支：-68.9b
これらの動きは、グローバルなマーケットに大きな影響を与える可能性があり、投資家は引き続き状況を注視する必要があります。
| 項目 | 値動き |
|---|---|
| ドル/円 | 151.13 ～ 151.77 |
| ユーロ/ドル | 1.0832 ～ 1.0876 |
| ユーロ/円 | 163.79 ～ 164.91 |
| NYダウ | -530.16 → 38,596.96ドル |
| GOLD (金) | -6.50 → 2,308.50ドル |
| WTI (原油) | +1.16 → 86.59ドル |
| 米10年国債 | -0.038 → 4.309% |
本日の注目すべき経済指標
本日の注目すべき経済指標は以下の４つの国です。
- 日本
- ドイツ
- ヨーロッパ
- アメリカ
日本
- ２月景気先行指数（ＣＩ）（改定値）
- ２月景気一致指数（ＣＩ）（改定値）
ドイツ
- ２月製造業新規受注
ヨーロッパ
- ユーロ圏２月小売売上高
アメリカ
- ３月雇用統計
- ２月消費者信用残高
- コリンズ・ボストン連銀総裁、開会挨拶
- バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
- ローガン・ダラス連銀総裁講演
- ボウマン・ＦＲＢ理事講演
本日の考察
今日の金融市場は、アトランタ連銀のボスティック総裁の発言に注目が集まりました。
ボスティック総裁は現時点で「最もタカ派」と見られており、このたび「年内1回の利下げが適切になる可能性が高い」と言及しました。
この発言が他のFOMCメンバーにどのような影響を及ぼすかが市場の関心事となっています。
一方、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、インフレが横ばい推移を続ける場合、年内利下げの必要性に疑問を投げかけました。
特に経済が堅調な場合には、さらなる利下げの可能性を否定する姿勢を示しました。
これらの発言が相場に大きな影響を与え、NY株式市場は大幅な下落を記録しました。
株価の急落とともにドル円もリスク回避の流れから売りが加速し、原油価格は不穏な中東情勢を背景に上昇を続けています。
さらに、アメリカ政治の最前線では、バイデン大統領がイスラエルの政治状況に強硬な姿勢を見せています。
こうした状況は、市場に不確実性をもたらし、投資家の間でリスク回避の動きを強めています。
市場は、これらの発言や政治的な動きを受けて短期間で大きく変動することがあります。
特に原油価格の更なる上昇は、インフレ圧力を高める可能性があるため、市場参加者は引き続き動向を注視する必要があります。
今後、各種経済指標や政治的な発展が、市場の方向性を決定する重要な要因となりそうです。
特に今夜発表される雇用統計は、今後の市場の動きを左右する可能性があるため、投資家は予測を立てながら慎重な取り組みが求められます。
まとめ
FOMCメンバーの発言が市場に大きな影響を与えています。
アトランタのボスティック総裁は年内の利下げ可能性を示唆し、カシュカリ総裁はインフレ横ばいで利下げを疑問視。
これにより、NY株式は大幅下落し、ドル円も151円13銭まで売られました。また、WTI原油は86ドル台へ続伸しました。
バイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相との会談で停戦を強く要求。市場はこれらの発言や政治的動向に左右され、今夜の雇用統計前に荒れ模様となっています。
ドル円は介入警戒感から152円に接近するも上昇を抑えられ、今後の動向が注目されます。
