本日の為替予想 「今夜の米国CPI発表に向けた市場の様子見姿勢」

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昨晩のNY市場の動き

昨晩のニューヨーク市場では、ドル円が上値の重さを感じさせる動きとなり、欧州市場で再び売られて146円49銭前後まで下落しました。

その後、ニューヨーク市場では反発を見せましたが、147円台前半で上昇が抑えられ、147円をわずかに下回る水準で引けました。ユーロドルは1.09台で推移し、今夜発表される米国の2月CPIを見極める姿勢が強まっています。

株式市場では、3つの主要指数がまちまちの動きとなりました。朝方大きく売られたダウはじりじりと買い戻され、46ドル高で取引を終えました。一方、債券市場では反落が見られ、長期金利は4.09%台まで上昇しました。

金は8日続伸し、最高値を更新しました。原油は小動きで、WTIは76.79ドルで引けました。今後の市場の動向は、米国の経済指標や各国の政策動向に注目が集まっています。

特に今夜発表される米国のCPIは、インフレの行方を占う重要な指標となるため、市場参加者の間で注目度が高まっています。

本日の注目すべき経済指標のイベント

本日の経済指標の中で注目されるイベントはいくつかあります。まず、オーストラリアからは3月のウエストパック消費者信頼感指数と2月のNAB企業景況感指数が発表されます。

これらの指標は、オーストラリア経済の消費者と企業のセンチメントを反映しており、経済の健全性を測る上で重要な指標となります。

ドイツでは2月の消費者物価指数の改定値が発表されます。このデータは、ユーロ圏全体のインフレ動向を理解する上で重要な役割を果たします。

インフレ率が高まっている場合、欧州中央銀行(ECB)の金融政策に影響を与える可能性があります。

英国からは2月の失業率と11月から1月までのILO失業率が発表されます。これらの指標は、英国経済の労働市場の状況を示しており、英国中央銀行(BoE)の金融政策決定に影響を与える可能性があります。

米国では、2月の消費者物価指数(CPI)が発表されます。この指標は、米国のインフレ率を測る上で最も重要な指標の一つであり、連邦準備制度(FRB)の金融政策の方向性に大きな影響を与えます。

また、2月の財政収支も発表されますが、これは政府の財政状況を反映する指標であり、市場参加者の注目を集める可能性があります。

これらの経済指標は、それぞれの国の経済状況を反映しており、グローバルな金融市場に影響を与える可能性があるため、市場参加者は注目しています。

本日の考察

本日の東京市場でドル円は先週末のニューヨーク市場での急落からやや持ち直し、146円台後半で推移しましたが、欧州市場の朝方には再びドル売りが活発化し、下値をテストする動きとなりました。

それでも、146円台半ばではサポートされ147円台まで反発しています。2日続けて146円台半ばで下げ止まったことから、この水準が目先の軽いサポートレベルとなる可能性があります。

しかし、市場参加者の注目は今夜発表される米2月の消費者物価指数(CPI)に集まっています。CPIは前月比で0.4%と、1月の0.3%から上昇しており、総合CPIでは前年比で3.1%上昇と予想されています。

予想通りであれば、FRBの利下げに対する慎重な姿勢が正当化されることになりそうです。また、昨日発表されたNY連銀の期待インフレ率が上昇しており、市場では現在、6月に利下げが開始されるとの見方が優勢となっています。

一方、バイデン大統領は11日に2025年度予算教書を公表し、富裕層や企業への課税強化を通じて中間層への優遇税制措置を拡充する内容が盛り込まれました。しかし、ねじれ議会の中で教書の内容がそのまま成立する可能性は低いと見られています。

日本株は年初から好調でしたが、昨日は大きく売られ、一時は先週末比1100円を超える下落を見せました。大幅下落の最大の要因は急速に進んだ円高であり、輸出企業の採算レートが概ね140円程度に設定されている中で、さらに円高が進むようであれば、市場の希望的観測もしぼんでしまう可能性があります。

本日のドル円は146円から148円程度を予想しますが、今夜の米国のCPI発表によっては大きく動く可能性があります。市場参加者は慎重なスタンスを取りながら、発表を見極めたいところです。

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