本日の為替予想「ドル円34年ぶり高値、介入警戒が高まる」

ドル円相場が34年ぶりの高値を更新し、市場では円安に対する介入の警戒感が高まっています。

主要通貨に対しての円の価値が低下する中、日本政府と日本銀行は市場動向を注視し、必要に応じた措置を取る構えです。

円安が進行すると、輸入品の価格上昇につながり、国内の物価上昇圧力が高まる恐れがあるため、政府・日銀は為替市場の不安定化を防ぐためにも介入の可能性を示唆しています。

目次

ひと目で分かる昨晩のNY市場

昨日のNY市場では、様々な動きが見られましたが、その中でも特に目立ったのが、ドル円の動きです。

東京時間午前中には、151円97銭まで買われ、わずかながらも2022年10月の高値を上回りました。

これには政府が市場に送った強いメッセージが影響しているようです。しかし、NYでは151円17銭まで下落しています。

一方、ユーロドルは1.08台前半で小動きとなっており、大きな変動はありませんでした。

株式市場では、3指数が揃って反発し、S&P500は44ポイント上昇して最高値を更新しました。

債券市場では、長期金利が4.19%台に低下するなど、続伸しました。

金は続伸し、2200ドル台に達しています。原油は小幅に続落し、WTIは81.35ドルでした。

その他、主な通貨ペアの動きは以下の通りです。

  • ドル/円:151.17 ~ 151.42
  • ユーロ/ドル:1.0811 ~ 1.0829
  • ユーロ/円:163.43 ~ 163.73

株式市場では、NYダウが477.75ポイント上昇し、39,760.08ドルに達しました。金価格は13.50ドル上昇して、2,212.70ドルとなりました。

また、米10年国債の利回りは-0.041%変動し、4.190%となりました。以上が昨晩のNY市場の動きです。

市場全体としては、株式、債券、金が上昇し、通貨市場ではドル円が特に注目された一日となりました。

本日の経済指標と注目イベント

本日は、世界各国で重要な経済指標やイベントが予定されています。投資家や市場関係者は、これらの発表に注目しています。

ここでは、主なイベントをまとめてお伝えします。

豪州関連

  • 豪2月小売売上高
     豪州の消費動向を示す重要な指標です。小売売上高の変動は、消費者の信頼感や経済の健全性を示すため、為替市場にも影響を及ぼす可能性があります。

ドイツ関連

  • 独3月雇用統計
     ドイツ経済の基盤を支える労働市場の状況を反映します。雇用状況の改善は消費増加につながり、経済成長のポジティブな兆しと見なされます。

英国関連

  • 英10-12月期GDP(改定値)
     英国経済の全体像を映すGDPの改定値です。初期値からの修正は経済の健全性を再評価する上で重要となります。
  • 英10-12月期経常収支
     国の経済活動が海外との間でどのようなバランスにあるかを示します。経常収支の赤字拡大は、通貨価値に対する下圧力が考えられます。

米国関連

  • 債券市場、短縮取引
     債券市場の動向は、全体的なマーケットセンチメントに影響を与えるため、短縮取引の様子には注意が必要です。
  • 新規失業保険申請件数
     週次で発表されるこの指標は、労働市場の健全性の一面を示します。予想を大きく上回る数値は、市場にとってネガティブなサインとなり得ます。
  • 10-12月GDP(確定値)
     米国経済の成長率を示す重要な指標。確定値によっては、市場の見方が変わることもあります。
  • 3月シカゴ購買部協会景気指数
     製造業の活動状況を示す指標で、経済の先行きを予測するうえで注目されます。
  • 3月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
     消費者の信頼度を示し、消費動向の重要な手がかりとなります。
  • 2月中古住宅販売成約件数
     住宅市場の活況を示す指標で、経済全体への影響も大きいため、注目されています。

以上、本日予定されている主な経済指標とイベントの概要です。

これらの発表によって、為替レートや株価など市場全体に動きがあるかもしれませんので、投資家は情報の更新に注意してください。

本日のドル円市場コメント

再び34年ぶりの高水準を記録

昨日の東京時間昼前、ドル円は上昇し、一時151円97銭までドル高が進みました。これにより、僅かながらも2022年10月に記録した151円96銭(一部には151円95銭と表示する所もあります)を超え、34年ぶりの高水準を更新しました。

背景には日銀審議委員の発言

ドル高を後押しした直接的な要因は、日銀審議委員の発言でした。田村審議委員は「青森県金融経済懇談会」にて、「異例の大規模金融緩和を上手に手仕舞いしていくための金融政策の手綱さばきは極めて重要だ」と述べました。

このコメントは市場に「円の金利は当面上がらない」と受け止められ、円売りが加速しました。

介入警戒感の高まりとその影響

しかしその後、市場では急速に介入警戒感が高まり、ドル円は利益確定の円買いにより水準を下げました。欧州市場では151円03銭前後まで、NY市場でも上値が重い展開となりました。

政府の対応

財務省・金融庁・日銀から成る「3者会合」が開かれ、神田財務官は「最近の円安の進展は投機的な動きが背景にある」と述べ、あらゆる手段を排除せず適切な対応を取ることを明言しました。

市場参加者の反応

市場参加者は財務省の強いメッセージを受け、一時的にポジションを縮小する動きを見せ、これがドル円を151円手前まで押し下げたと考えられます。

今後の見通しと市場介入の可能性

今後、介入に常に警戒しながらも、インフレ再燃懸念から「ドル高」は米国にとってプラスと見なされており、短期的な介入によるトレンド変更の可能性は低いと考えます。

イエレン財務官も過去に「為替レートは市場が決定するもの」と述べており、今後も市場の動きに注目が集まります。

本日のドル円予想

本日のドル円は150円50銭~152円程度を予想していますが、政府・日銀が市場介入に踏み切る場合、予想レンジは意味をなさなくなる可能性があります。

市場参加者は、政府の動向に注目しながら、慎重な対応が求められています。

まとめ

昨日、ドル円は東京時間昼前に一時151円97銭まで上昇し、34年ぶりの高値を更新しました。

この動きの背景には、中国人民銀行による元安方向の基準値設定と、日銀審議委員の金融政策に関する発言がありました。

しかし、その後介入警戒感が市場に広がり、ドル円は下落しました。財務省は、最近の円安進展が投機的な動きに基づくものであることを指摘し、「あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」と述べています。

市場は、今後も政府・日銀の介入を警戒しつつ、為替レートの動向に注目しています。

本日のドル円は150円50銭から152円の範囲内での動きを予想していますが、政府日銀が介入を行えば、この予想レンジは意味をなさなくなる可能性があります。

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