5月9日に発表された米国の経済情報が市場に大きな影響を与え、新規失業保険申請件数の増加が注目されました。
これはFRBによる利下げ開始の可能性を示唆し、長期債の利回り低下とドル安につながりました。
昨晩のNY市場
〇ドル円、5/9午前155.16へ下げるも夕刻155.94へ一段高、その後も155.94を付けたが156円に届かず
〇米新規失業保険申請件数の大幅悪化をきっかけとしたドル安で下落に転じ、5/10午前155.20台へ下げる
〇新規失業保険申請件数が大幅増、利下げ開始判断に寄与するとの思惑から長期債利回り低下・ドル全面安〇5/9夕高値155.94を超えないうちは一段安余地あり、155円割れからは154円台前半への下落を想定する
〇155.94を上抜くところからは新たな上昇期入りとみて、157円を目指す上昇を想定する
本日の注目すべき経済指標
地域 | 内容 | 前回 | 予想 |
---|---|---|---|
日本 | 4月 景気ウオッチャー現状 | 49.8 | 50.3 |
日本 | 4月 景気ウオッチャー先行き | 51.2 | 51.6 |
英国 | 1-3月期 GDP速報値 (前期比) | -0.3% | 0.4% |
英国 | 1-3月期 GDP速報値 (前年同期比) | -0.2% | 0.0% |
英国 | 3月 月次GDP (前月比) | 0.1% | 0.1% |
英国 | 3月 鉱工業生産 (前月比) | 1.1% | -0.4% |
英国 | 3月 鉱工業生産 (前年同月比) | 1.4% | 0.3% |
英国 | 3月 貿易収支・物品 | -142.12億ポンド | -144.00億ポンド |
英国 | 3月 貿易収支 | -22.91億ポンド | -21.00億ポンド |
本日の考察
5月9日に発表された米国の経済情報は市場に多大な影響を与えました。
中でも、新規失業保険申請件数が前週比で22,000件増加し、23万1,000件に達したことが大きく注目されました。
これは、労働市場が後退していることを示唆しており、FRBによる利下げ開始の可能性が高まっていると捉えられました。
それに伴い、米長期債の利回りは低下し、主要通貨に対してドルは全面的に安くなりました。
FRBの高官からは利下げに対して慎重な姿勢が示されていますが、今後のインフレ動向や経済指標によっては、政策の見直しに対する期待が高まるかもしれません。
また、ニューヨーク証券取引所のダウ工業平均株価は7連騰を記録するなど、株式市場ではリスクを好む動きが見られました。
これらの動向は、利下げへの期待と経済の堅調さが市場心理にどのような影響を与えているかを示す良い例だと言えます。
まとめ
5月9日に発表された米国経済情報は、新規失業保険申請件数が前週比で22,000件増え、23万1,000件に到達したことで市場に注目されました。
この増加は労働市場の後退とFRBによる利下げ開始の可能性を示唆し、米長期債の利回りは低下し、ドルは主要通貨に対して全面的に安くなりました。
FRB高官は慎重な姿勢を示していますが、インフレ動向や経済指標次第では政策見直しの期待が高まります。
NYダウは7連騰を記録するなど、株式市場ではリスク好みの動きが見られました。
これらの情報から、利下げへの期待と経済の堅調さが市場心理に与える影響の好例が浮き彫りになります。